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介護業界の状況やエンジニアを取り巻く環境から生まれた”インパクトエンジニア”

こんにちは!
Rehab for JAPANでCTOを務めている久良木(@qchan_cto)です!

普段noteの記事は採用担当からお届けしていますが、今回は初めて私が記事を書かせてもらう機会をいただきました。
というのも、前回のFY23下期キックオフでRehab社内に共有したエンジニア組織の方針について、Rehabに興味を持ってくれた方にも伝えたいなと思ったからです。

ぜひ感想はXなどで私まで届けてくれたら嬉しいです! あと、直接聞いてみたいという方は、カジュアル面談でお待ちしております!


自分の体重を乗せ、社会をより良くできる環境として選択したRehabに入社し2年が経過

私の簡単な経歴ですが、新卒でSIerに入社し、一時フリーランスとなり、その後AIベンチャーCTOを経て2022年1月にRehabにジョインしました。なぜRehabにジョインしたのかは、ジョイン時のインタビュー記事を読んでいただけると幸いです。

入社してからは、新たなプロダクトとしてRehab Cloud デイリー、モーションAI、Rehab Studio、Rehab Insightのリリースに携わることと併せて組織作りにも勤しみ、今振り返ってみると怒涛の2年だったなと思います。
息つく暇もなく、これから介護報酬改定の対応やRehab Cloud レセプトのリリースも待ち構えており、介護業界を変革するために引き続き前傾姿勢で走って行こうと思っています!

■エンジニア組織の拡大

複数のプロダクトを開発、運用する中で、エンジニア組織も拡大してきました。
私が入社した2022年1月では社員エンジニアは私含めて4名だったところから、2023年12月時点では25名まで増え、全社員におけるエンジニアの比率としても14%から32%まで上がりました。また、業務委託として参画いただいている方も含めると50名程の規模になっています。

当たり前?ですが、入社したメンバーのほとんどが介護業界に馴染みはなく、多くのメンバーは「社会課題を解決したい」、「自社開発でプロダクト、事業と共に成長していきたい」と思ってRehabに入社してきていただいています。介護業界は一見するとエンジニアからは距離があると思われる業界と思いますが、決してそんなことはないです。「介護」は誰もが通る道であり、ご両親や自分自身の将来に確実に関わってきます。

■衝撃を受けた、介護従事者の減少。

介護業界にあまり馴染みがない方にも少しでも知っていただきたいなと思い、「日本の介護業界が置かれてる状況」について共有させてもらいます。
介護業界における大きなトピックスとして、以下の3点があります。

1.2040年には高齢者が人口の1/3になり、要介護者数は1,000万人まで増加する見込み*1
2.2040年には社会保障費における介護費は24.6兆円になる見込み*2
3.介護従事者を2019年(211万人)対比で2040年までに69万人(平均年3.3万人)増やす必要がある*3

出典は、最後にまとめて記載します。

上記のような状況のため、「2040年問題」として社会保障制度が持続不可能な状態に陥るのではと言われています。

そんな中、私が昨年衝撃を受けたことは、2022年において介護従事者が減ったという事実です。しかも減った人数は6.3万人です。*4 平均年3.3万人を増やす必要がある中、マイナス6.3万人です。
“このまま”では介護を受けたくても受けられず、受けられる人が限られてくることになると想像できます。

■政府の方針

2019年9月に厚生労働省「データヘルス改革推進本部」において、データヘルス改革が目指す未来として「ゲノム医療・AI活用の推進」「自身のデータを日常生活改善等につなげるPHRの推進」「医療・介護現場の情報利活用の推進」「データベースの効果的な利活用の推進」の4つの取組みを進めていく方向を示しました。

インパクトスタートアップのRehabとして

介護業界を取り巻く状況や政府の方針がある中で、Rehabはインパクトスタートアップとして、介護業界の社会課題を解決すべく、「ロジックモデル」を作成し、事業成長を伴いながら、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトの創出を目指しています。

■事業と組織の両輪を回す

現在Rehabでは、介護事業所の業務支援SaaSとして「Rehab Cloud」、オンラインを通してリハビリを支援する「Rehab Studio」、さまざまなサービス、ソリューションを展開する中で蓄積されたケアデータを提供する「介護データ事業」を進めています。
そして、これらの介護データを集めるソリューションをデータ解析でさらに進化させるべく、蓄積した独自の介護リハビリデータを活用し、ヘルスケア領域におけるデータプラットフォーマーとして新たな付加価値を創出していくことを目指しています。

■事業成長のためにエンジニア組織が担うこと、やるべきこと

会社や事業、プロダクトのフェーズによって、エンジニア組織に求められることは変わってきます。今のRehabにおいては、「顧客への価値提供をいかに早く実現できるか?」が重要だと私は考えています。加えて、事業成長を支えるための「セキュリティ強化と社内業務効率化」は欠かせません。

じゃあ、これらの事業を成長させるために、考え抜かれた事業戦略とMECEなKPIさえあれば良いのかというとそうではないと考えています。
これまでもキックオフで「どれだけ崇高な事業戦略も、組織が伴わないと実現しない」とCOOの池上が伝えていたり、毎月開催している新メンバーを迎えるセレモニーのfunadeでCEOの大久保が「みんなで組織を作って行ってほしい」と伝えていたりしており、事業戦略と共に組織を作ることが重要だと考えています。

■エンジニア組織の課題

エンジニアはどんどん増えてきていますが、我々が実現したいことに近づくためにはまだまだ人が足りません。今のエンジニア組織の課題としては採用力の向上と私は考えています。
Rehabは、まだまだ世の中のエンジニアの方々への認知度が足りていません。ただ、認知度を上げることにはかなりの時間と労力を必要とします。中長期的に考えて採用力を底上げするためには組織力の向上が必要だと考えています。採用サイクルにおいて、組織力が関連するのは、候補者に対するクロージング力や新メンバーが定着・活躍できる環境と考えています。
そして、メンバーが定着、活躍するためには、チーム・組織が強い組織効力感を持っている状態にすることが重要と考えています。

■組織力が高い状態=強い組織効力感を持つ組織

組織効力感とは、組織メンバーが組織の能力に対して持っている信念の強度を表し、今は実現できなさそうに見えたり、困難に思えたりする目標に対しても、”このチームならやりきれる、達成できる”と考えられる状態です。決して、「あの人がいるから大丈夫」とか、「他の人に任せていれば良い」と思うことではないです。

そして、この組織効力感を育むためには、各個人の『自己効力感』が必要ということです。一人一人の『自己効力感』が高いことで組織効力感につながっていくと思います。

自己効力感とは、“今できないこと、困難なことも自分ならやりきれる”と思える状態を表し、自己効力感を高めるには、成功体験の積み重ねが必要だと考えてます。特に大事なのは、“自ら”目標を掲げ、目標に対して苦労したとしてもやりきったという体験が必要(自ら選択し、自ら責任を取るという経験)です。

■VUCA時代であり生成AIの時代、これからのエンジニアはどう生きるか

生成AIの話を聞かないことがない今、エンジニアとしての目標を掲げることが難しくなってきている気もしています。Rehabでもコード生成AIのGitHub Copilotを導入し、生成AIの恩恵を受けています。もちろん、まだまだ複雑な問題に対して精度高くコードを生成することはできませんが、これからさらに精度が高くなり、ある程度の複雑さにも耐えうるコード生成AIが出てくるのは必然に思います。
つまり、仕様を理解して単にコードで実現するだけでは、エンジニアとしての価値はいつの日かなくなっていくと考えてます。

「介護業界の変革をリードするインパクトエンジニア集団たれ。」

エンジニアを取り巻く世界が変わっていく中、Rehabのエンジニアメンバーが25名まで増え、いろんな個性、価値観を持った人が集まってきました。それぞれの個性、価値観を大事にしながら、集合体としてみんなが同じ方向を向き、介護業界を変革しながらも、エンジニアとしての価値をさらに上げていけるような”船”としてRehabが存在するために、エンジニア組織としての指針を決めることが重要だと考えました。

その中で生まれたのが、「介護業界の変革をリードするインパクトエンジニア集団たれ。」です。

また、これまでDeveloper eXperienceの向上であったり、Hack for Enjoy!(タフさが必要になる前にエンジニアらしくHackして楽しめる環境を作ろう)というスローガンを掲げたりしてきました。
「我々は宇宙を旅する宇宙船の乗組員である」としたときに、これらがどのように繋がっているのかをまとめました。

■「介護業界の変革をリードするインパクトエンジニア集団たれ。」に込めた想い

今回決めた指針ですが、「介護業界を変革するエンジニア集団になる。」でも良さそうにも思えます。指針の一語一語に込めた想いを綴らせてもらいます。

《介護業界を”変革する”だけでなく、“変革をリードする”存在になりたい。》
この言葉に込めた想いは、介護業界といえばRehabであり、介護業界はRehabのエンジニアが引っ張っていると世の中に知られている状態になっていきたい、さらに、Rehabのエンジニアがいたから介護保険制度が持続している、高齢者が健康維持・向上できていると言われるようになりたいということです。(ここの解像度はまだまだ荒いです。。)

《単なる”エンジニア”ではなく、“インパクトエンジニア”である。》
先述したように、遠くない将来、仕様を実現するだけのエンジニアでは価値がなくなると思っています。
さらに一歩先を考え、要求されたものをただ作るだけではなく、アウトカムを追い求めながらアウトプットでき、介護業界にインパクトを出すために何が必要かを考え続けられる、そんなエンジニアに一緒になっていきたいと考えています。

《そういった集団に”なる”だけじゃない、そういった集団で“あり続ける”である。》
理想とする組織になることがゴールではないですし、理想は常に移り変わっていきます。そのためにも、凝り固まらず継続・改善し続けることが大事であり、組織づくりに完成(終わり)はないと思っています。

■“インパクトエンジニア”について

「インパクトエンジニア(Impact Engineer)」は、一般的なエンジニアリングの枠組みを超えて、社会的・環境的な影響を持つようなプロジェクトやイニシアティブに関与するエンジニアを指します。(インパクトスタートアップであるRehabとは名前的にもマッチするかと思います)
必要なスキル・スタンスとして、大きく「エンジニアリング力」と「社会課題解決力」があります。ざっくり説明すると、エンジニアリング力とは、課題を解決するための専門スキルやソフトスキルであり、社会課題解決力とは、社会課題に向き合い、業界のドメイン知識を理解し、アウトカムを意識したアウトプットを企画し推進する力のことです。
今はインパクトエンジニアに求められるスキル・スタンスとしての大枠しか考えられていません。これからさらに解像度を上げ、エンジニアの目標やステップアップに使えるレベルに仕上げていくことが課題です。

■これからが大事

ここまで想いを書き綴ってきましたが、なんと言っても、これからどうしていくかが大事です。まだスタートラインに立っただけなので、これからどのように浸透し、行動し、改善し、結果を出していくかをちゃんと考えて動いていく必要があります。(絵に描いた餅にならないために)
ここからが大変ですが、今のRehabのエンジニア組織ならやりきれる、達成できると確信しています!

まずは、「インパクトエンジニア」に求められるスキルやスタンスの解像度を上げ、レベルを定義し、私も含めたRehabのエンジニアの現在地を明確にして、レベルアップするためのフォロー体制の構築を進めています。

この取り組みを後押しするようなスキルアップのための福利厚生が実は既にあります。
「Ski'll(スキール)」という制度で、Book(書籍購入支援)とConference(カンファレンス参加費の支援)があります。

■一緒に日本の社会課題、介護業界に向き合ってくれる”インパクトエンジニア”を募集してます!

長々と書いたこの記事をここまでご覧いただきありがとうございました。
ここまで読んでいただいただけでも感謝ですが、
Rehabに少しでも興味を持ってカジュアル面談に申し込んでいただけたらさらに感謝です!
お待ちしております!

出典:
*1 経済産業省(2018)「将来の介護需給に関する高齢者ケアシステムに関する研究会」報告書、厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」
*2 (1)厚生労働省「国民医療費の概況」「介護給付費等実態統計の概況」「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」
*3 第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について[link]
*4 介護就労者が初の減少、低賃金で流出 厚生労働省分析[link]


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