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高齢化問題って言うけれど、長生きするって問題ですか?

本記事は、2021年2月5日制作された記事です。

今回のインタビューでは、弊社CEOの大久保に「介護」について自由に語ってもらいました。自分がこれから高齢者になるとしたら…。そんな想像をしながらお読みください。

―― 大久保さんは、介護の仕事についてどのような思いがありますか?

作業療法士として現場経験がある自分としては、介護を受けて元気になったお年寄りをたくさん知っています。こんなにやりがいのある仕事って他にない。そんな自負も持っています。ですから前提としては、元気な高齢者を増やすために介護はあると思っているし、それは弊社の事業の根底にもなっています。

―― 一方で「介護」には少しネガティブなイメージもあるかと思います。

たしかにそうですね。自分の親や祖父母がデイサービスを利用することを「いいね!」と捉える人はいないと思いますし、それを聞いた友人や知人も「いいね!」とは言わないですよね。きっと「そっか、大変だね」とか「そんな年齢になっちゃたんだね」みたいな感じ。そういったイメージを打破するのは大変ですが、それでも現状の介護サービスを進化させたり、働く人の社会的地位を高めたりすることできっと介護のイメージは変えられると思います。

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―― 高齢化が進むなかで、ヘルスケアはどのように変わる必要があるでしょうか?

まず、人の健康について考えるとき、体と心の健康についてはよく語られていますよね。実はそこにもう1つ、「社会的に健康かどうか」という視点が必要だと思っています。ボランティア活動をする、趣味を楽しむ、庭いじりをする、野菜を育ててみる、孫を抱っこする、友人と買い物に行くなどなど、日常をいきいきと過ごすための活動です。それができるなら、たとえ足が不自由だとしても社会的には健康だと言えますよね。社会参加とも言いますが、それって、高齢者に限らず誰もが持つ欲求です。ヘルスケアはそういった一人ひとりの生活と本人のニーズを捉えた内容にしていくことが重要だと思っています。

―― 介護業界にある課題について教えてください。

個人的に課題だと感じるのは、良くも悪くも介護保険制度が進んでいることかもしれないですね。定年退職して、年金受給者になり、介護保険に加入して、介護認定を受けたら施設を利用する。そんな大きなルートがザックリ1つあるだけで、あまりにも選択肢が少ない。自由競争のような市場原理が働きにくい構造と合わさって、介護保険の適用範囲内ではユニークなものが生まれにくい環境とも言えます。すみません。ちょっとその課題を度外視して話してみてもいいですか(笑)?

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―― ぜひぜひ!お願いします。

一人暮らしの高齢者Aさんがいるとします。趣味は魚釣りです。このたび「要介護1」という認定を受けてデイサービスに通うことになりました。この場合、言うまでもなくAさんの暮らしはデイサービスの外にもありますよね。スーパーに買い物に行く。喫茶店で友人とお茶をする。もちろん釣りに行くことも。孫や子どもとふれあう日もあると思います。そんな当たり前の暮らしを楽しむために、家族はもちろん、スーパー、喫茶店、釣具店といった介護施設外が連携したプログラムがあるとAさんは嬉しいと思いませんか。介護保険という枠組みを度外視した発想ですが、なんだかユニークかつ満足度の高い介護サービスが生まれてきそうですよね。

―― たしかに…。あと度外視したことで、一層課題の本質が見えてきた気がします。

もっと言えば、要介護かどうかを問わないサービスがあってほしいと思います。要介護のAさんと要介護ではない同級生のBさんが分断せずにいられる施設や、マッサージやスポーツジムを利用する感覚でカジュアルに通えるデイサービスなどがあると高齢者のQOLは向上すると思います。「いいね!その介護サービス」とか「それ私も参加してみたい」と高齢者自身が求めるような内容に変わると、介護サービスはもっとワクワクする存在になると思います。

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―― 自分たちの事業を通じて、達成したいことがあれば教えてください。

よく高齢化問題と言われますが、長生きすることは「問題」でしょうか? 体も心も社会的にも健康な高齢者が増えたら、それは「問題」とは言わない気がしています。元気な高齢者が増えることで、これから高齢者になる自分たちもワクワクしたい。僕は自分たちの事業を通じて、長寿の国であることに誇りが持てる世の中にしたいなと思っています。終始夢のような話になりましたが、まずはリハブの経営者である僕自身の想いが少しでも伝われば嬉しいです。

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